著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

コレステロール摂取量が多いとがんになりやすいは本当?

公開日: 更新日:

 今回はコレステロールとがんの関係について紹介しましょう。

 コレステロールは動物性脂肪のひとつです。食生活の西欧化により、コレステロールを含む動物性脂肪の摂取が増えています。それに伴ってがんも増加しているのではないか、という考え方が一般的かもしれません。事実、動物性脂肪の摂取が増えると大腸がんが増えることが示されています。こうした事実からすれば、コレステロールの摂取により大腸がんを含む多くのがんの増加が予想されます。

 しかし、大腸がん以外で動物性脂肪との関連がはっきりしているがんは意外にありません。

 以前は乳がんも動物性脂肪の摂取と関連しているという報告がありましたが、最近の報告では「はっきりした関係がない」というものがほとんどです。

 すべてのがんと総コレステロールとの関連を見た研究は多くありますが、その大部分は「低コレステロールの人でがんによる死亡が多い」ことを示しています。私自身が関わった日本人の研究でも、総コレステロール140~160mg/dlの人に比べて140未満の人でがんによる死亡リスクが高いという結果です。男性では1・66倍、女性でも1・44倍がん死亡が多くなっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末