がん治療にもリハビリが欠かせない理由
食道のほか、胃や大腸、肝臓、膵臓などの消化器がん、肺がん、咽頭や喉頭、口腔、舌などの頭頚部がん、そして乳がんなど多くのがんにリハビリが必要です。では、どんなリハビリが必要なのでしょうか。
手術前後の代表的なリハビリのひとつに、「呼吸リハビリ」があります。手術の痛みや麻酔などの影響で呼吸が浅くなると、痰を思うように排出できず、肺の奥にたまって肺炎のリスクが高まります。それを防ぐのが呼吸リハビリで、手術前に腹式呼吸の方法をマスターしておくのです。
考え方の大前提として手術後は、なるべく早くベッドを離れ、できる範囲で体を動かすこと。抗がん剤や放射線の副作用などがつらくても、寝たきりは避けます。つらいからといって長く動かないでいると、筋力が低下し、最悪の場合、寝たきりを余儀なくされる廃用症候群になりかねませんから。
抗がん剤や放射線の治療を受ける場合、リハビリとしての運動は治療と並行して行うのが、より効果的。医師や理学療法士、作業療法士などが、患者さん一人一人の状態に合わせてメニューを組みます。一般に、少し汗ばむ程度の強度で、20~30分、週に3~5回行うのが理想といわれています。
運動は、がんを予防する効果も高い。運動は、がん予防にもリハビリにも大切なのです。