著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

大腸がん検診の「2次検査」はすぐに受けよう

公開日: 更新日:

 がん検診にはたくさんの種類がありますが、がんによる死亡を確実に減らすような効果のある検診は、それほど多くはありません。しかし、「大腸がんの検診」は数少ない有効性の高い検診のひとつです。

 現在行われている大腸がん検診は、まず便の検査をして、そこに微量の血液が検出されるかどうかを調べます。これを便潜血検査と言います。この検査で潜血反応が陽性に出た場合には、病気の可能性を疑って、2次(精密)検査としての大腸内視鏡検査(大腸ファイバー)を行うのです。

 2次検査を受けてがんを発見し治療することにより、がんによる死亡は3割以上低下することが分かっています。

 しかし、問題は便潜血検査が陽性でも、すぐに2次検査を受けない人が多いということです。それでは、すぐに2次検査を受けないと、どのくらいの危険があるのでしょうか? 今年の米国医師会雑誌に、この疑問についての研究結果が発表されました。

 それによると、便潜血検査が陽性になってから1カ月以内に内視鏡検査を行った場合と比較して、10カ月以上経ってから検査をすると、「がんが発見される確率は2倍以上、進行したがんが見つかる確率は3倍以上も多くなる」という結果になっていました。

 大腸がんは早期発見できれば治る可能性の高いがんです。皆さんも検診を受けたら、必ず2次検査を早めに受けるようにしてください。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主