外科医にとって「自己管理」は不可欠な適性といえる
プロスポーツの世界でも、まれに選手が突然死してしまうケースが起こります。
ただ、その多くは大相撲なら十両や幕下、プロ野球やプロサッカーなら控えの選手で、幕内力士やレギュラークラスの選手はほとんど見当たりません。プロのトップクラスの選手たちは、自分の体力や健康についてきちんと把握しながら練習や試合に臨んでいます。自分がその負荷に耐えられるかどうか、しっかり適性をチェックしながら取り組んでいるから、最悪の事態に至ることが少ないのです。
すべての医師とは言いませんが、とくに外科医はそうした自己管理ができなければいけません。厳しい言い方をすれば、自己管理ができない者は外科医の適性がないと言っていいでしょう。
また、自己管理ができていない若手医師の中には、自己管理をうまく行い自信をつけて成長している先輩医師を見て、「自分も同じことができる」と錯覚しているケースがあります。これがプロスポーツの世界なら、成績が数字としてはっきり出るので、錯覚しているだけの者は振り落とされてしまいます。しかし、医師の世界は違います。基本的にはすべて公平に機会を与え、門戸も広くしています。