米国の専門家ガイドラインは撤廃 卵は1日1個が健康的か?
卵は健康に良い食べ物でしょうか? 数年前まで1日1個卵を食べるのは健康に悪いといわれていました。
卵には1個に200ミリグラムを超えるコレステロールが含まれています。血液のコレステロールが高いと動脈硬化が進みやすいという考え方が広まり、1日のコレステロールを300ミリグラム以下に制限しよう、という方針が世界的に決められました。
この目標を達成するには、卵をなるべく食べないことが必要ですから、卵の制限が健康的と考えられたのです。
ところが、2016年に公表されたアメリカの専門家のガイドラインでは、食事のコレステロールを制限しても、血液のコレステロールを減らせるという根拠は乏しいとして、その制限は撤廃されました。その後世界的にもこうした考え方が広まり、卵の制限もなくなったのです。それでは、卵はどれだけたくさん食べても健康的なのでしょうか?
今年の栄養学の専門誌に載った論文によると、これまでの研究結果をまとめて解析したところ、1週間に7個までの卵の摂取は、死亡のリスクや心臓病のリスクに影響を与えず、脳卒中のリスクはむしろ低下させる、という結果が得られています。ただ、日本のこれまでの研究では、1日2個卵を食べると健康に害がある、という結果も報告されています。卵は1日1個までが健康的、と覚えておくのが良いようです。