無表情、丸い、長い…「顔つき」には7つの病気が潜む
少数の例外はあるが、多くは思考も抑制されており、同じことを繰り返し話す。昔のささいな出来事を気に病み、自分を責め、意気消沈して「生きるのがむなしい」と厭世感が見られるなどの特徴がある。
「内因性うつ病の患者さんは味覚異常が出て、食欲がないケースも多い。しゃべる回数だけでなく咀嚼回数も少ないから顔の筋肉が使われず、ぼんやりした表情になりがちです。薬により認知機能が低下することもそうした表情に拍車をかけているかもしれません」
パーキンソン病は脳から分泌されるドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が不足して、神経の働きが悪くなり、手足が震えたり、全身の筋肉が硬くなって動かなくなったりする病気だ。
50代以上で発症することが多く、日本での患者数はおよそ15万人。
海外での有名人では、プロボクシングの世界ヘビー級チャンピオンだった故モハメド・アリやハリウッドスターのマイケル・J・フォックスなどがいる。
「パーキンソン病の患者さんは、歩くときに前かがみになり小刻みにすり足で歩くようになったり、腰が曲がったり斜めに傾いたり、首が下がるなどの身体機能に異常が表れます。さらに、まばたきが減る、表情がなくなる仮面様顔貌が知られています。仮面様顔貌は強皮病(皮膚や内臓のさまざまな臓器が硬くなる原因不明の自己免疫疾患)でも起こることが知られています」