子供が手足に痛み…小児科も見落とす「ファブリー病」とは
ファブリー病は、細胞の中の小器官内で、α―ガラクトシダーゼという酵素の働きが弱い、あるいは酵素そのものがないことが原因で起こる病気だ。
この酵素が弱い・ないために、本来は分解され再利用される「生きるために不要になった物質」が細胞内に蓄積し、全身にさまざまな症状が表れる。それが冒頭で紹介したものになる。生まれつきの病気で、遺伝性がある。
■加齢に伴って症状が変化する
「ファブリー病の症状では手足の痛みが全体の76%を占め、最多です。痛みの表現として『発熱時や運動した後に手足に焼ける感じの激痛が走る』『海水浴場の焼けた砂の上を歩くような痛み』などがあります。痛みの程度は日によって変わりますが、特に熱を出した時にひどく、『熱が出て、風邪の強さより、手足の痛みの方がつらかった』と表現する患者もいるほどです」
一般的に、年齢を重ねるうちに症状が変わる。30歳半ばくらいまでは手足の痛みがメインだが、それ以降は心臓の症状(心肥大、不整脈、心不全)、腎臓の症状(タンパク尿、腎不全)が増え始め、50歳を過ぎた辺りからは脳血管の症状(脳梗塞、脳出血)が増え始める。