"完治”の可能性もある リンパ浮腫はむくむ前の治療が必須
がんの手術や放射線治療後にリスクがあるのがリンパ浮腫だ。一度発症すると治らないとされるが、それでも「治る」可能性はゼロではない。国立国際医療研究センター病院形成外科診療科長で、国際リンパ浮腫センター・センター長の山本匠医師に話を聞いた。
リンパの流れが滞り、手足などにむくみが生じるのがリンパ浮腫だ。進行すると皮膚を押してもへこまない非圧痕性浮腫となり、皮膚が分厚く象のようになる象皮症に至る。陰部にリンパ浮腫が起こる場合もある。
「進行するほど治療の選択肢が少なくなる。リンパ浮腫は早期に診断し、適切な治療を行うことが非常に重要です」
山本医師が行っているのが、がんの治療後早期(3カ月~1年以内)に行うICGリンパ管造影だ。この段階では患者にリンパ浮腫の自覚症状は全くと言っていいほどないが、今後リンパ浮腫を発症するリスクがあるかどうかを判別できるのだ。
ICGリンパ管造影で、リンパ管が線状に見える「リニアパターン」、縮れた線状が見える「スプラッシュパターン」、星空のような点々が見える「スターダストパターン」に分けられる。