適切なカロリーを1週間守って“正しい感覚”を身につける
この連載の最初の方で言ったとおり、僕は当初2型糖尿病と診断され、2型としての治療を1年近く受けてから、1型と診断を改められた「緩徐進行1型糖尿病」である。
現在はインスリン注射のみによって血糖コントロールを図っている身なので、コラムで取り上げる内容もどうしても、インスリン注射につきものの低血糖とどう格闘するかといった側面に偏ってしまっていた。だが、膵臓に障害があり、「食」になんらかの制限がかかるという点では、1型も2型も変わらない。また、どちらも完治が望めず、生涯、自分の身について回るのも同じだ。
今回と次回の2回にわたって、そういう病気である糖尿病といかにして一生付き合っていくかという原点に基づきながら、経験者としてささやかな助言を施したいと思う。
糖尿病(2型)とは、一言でいえば「食べ過ぎ」が原因で起こる病気だ。ただし、「お腹を壊す」といった一時的な不調とは違って、長年のエネルギー過多が膵臓に負担をかけた結果と考えたほうがいい。
医師の指示カロリー通りの食事を最初は「少ないな」と感じるだろうが、逆にそれまでの食事が常に多過ぎたのだ。それが普通だと思ってきたせいで、比較の問題として少なく感じるだけなのだ。