年中くしゃみなら注意…不調は「繊毛」にあるかもしれない
そんなバカなと思う人もいるだろうが本当だ。ダイエー創業者の故・中内功氏やお笑い芸人のチャンス大城さんら内臓逆位の有名人も何人かいる。ドラマや小説などでもたびたび取り上げられ、刑事ドラマ「太陽にほえろ!」では三田村邦彦演ずるジプシー刑事が左胸を撃たれながら助かったというシーンを覚えている人もいるだろう。
その原因は受精数日後の胚の中央部に現れる「ノード」と呼ばれるくぼみにある。そこには各1本の繊毛を持つ細胞が数百集まり、繊毛を高速回転運動させることで、羊水の流れを右から左に誘う。その影響で臓器の位置が決定する。
「ところが、ノード繊毛の動きが悪いと右から左への水流が生まれず、臓器配置が乱れて内臓逆位などが起こるのです」(川田医師)
■鼻炎、気管支炎、不妊、がんなどにも関係
問題はこの繊毛は、一部を除いてほぼ全身の細胞に生えていて、ひとつの繊毛の動きが悪い人はその他の繊毛の動きも悪く、その機能不全は全身のさまざまな病気を招く可能性があることだ。これを繊毛症という。