早期発見のカギ eGFRは60前後で治療すれば腎不全を免れる
健康な腎臓は、1分間に90mlの血液を濾過しています。ですから、正式な単位は「ml/分」で、90以上が正常です。一般の方が理解する上では、単位を「%」に置き換えて構いません。求められた数値の%が、その方の腎機能の割合と解釈すればいいのです。
たとえば、計算結果が50なら腎機能は健康な人の半分。30なら腎機能が7割も低下しているということになります。
15未満で末期腎不全で人工透析が必要になりますが、このような式が生まれたのは、そのような悲劇をなくすためです。なるべく60くらいのうちに腎臓内科などで治療をお勧めしたい。3割くらいに落ちると、治療を受けても人工透析は時間の問題ですが、60くらいで治療がスタートすれば、腎不全への悪い流れを食い止めることが可能ですから。
腎機能を低下させる要因は高血圧のほか糖尿病も見逃せません。これらの治療と同時に生活習慣の改善も必要です。健診結果にクレアチニン値が書かれていたら、ぜひeGFRを調べ、万が一、数値が低下していたら、すぐに内科を受診することです。
梅田悦生・赤坂山王クリニック院長