【鯛のかぶと煮】調味料を控えてビタミンB1で疲労回復

公開日: 更新日:

目の周囲の必須脂肪酸し血圧を下げて心臓疾患を防ぐ

 私は1年のうち、かなりの日数を、客員教授を務める米国NY・ロックフェラー大学で過ごしている。今やNYではスシやサシミはごく普通の人気メニュー。とはいえ、食材としての魚は(グリルしたものであっても)あくまで切り身として食べるものであり、頭や目玉がついたままだと文字通りギョッとする西洋人は多い。しかしこの目玉つきの頭(つまり、かぶと)にこそ美味と栄養が詰まっている。

 春の鯛は産卵前の旬の時期にあたり、特に桜鯛と呼ばれる。おいしいのはくちびるの肉、目の下のくぼみに詰まった頬の肉、それから裏返して硬い頭蓋骨の隙間に入っている細い身の部分である。そして目の周囲。ここにはドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)がたっぷり含まれている。これらはサプリメントとしても市販されている必須脂肪酸で、ヒトに不可欠な栄養素。脳細胞、網膜、精液などの主要成分であり、血圧を下げ、心臓疾患を防いでくれる。昔から丁寧に魚を食べてきた日本人の食文化の知恵を味わいたい。

(福岡伸一)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末