腸内細菌ががんや難病を治す 新薬開発や便移植にも期待

公開日: 更新日:

「いくつかのがんの発症に特定の腸内細菌が大きく関係しているということは、腸内細菌のバランスを整えれば、がん予防につながる可能性があるということです。もっと研究が進めば、腸内細菌のバランスをしっかりコントロールできる効果的な薬剤が開発されるかもしれません。また、フソバクテリウム・ヌクレアタムは人間の口腔内にすむ常在菌なので、がん予防には口腔内のケアが当たり前という時代が来てもおかしくありません」

 腸内細菌は指定難病の潰瘍性大腸炎とも関係が深い。潰瘍性大腸炎は免疫機能に異常を来し、無害なものまで攻撃して無用な炎症を起こさせる。大腸の粘膜がただれて下痢、血便、腹痛、発熱といった症状が表れ、長期にわたって良くなったり悪くなったりを繰り返す。

「患者さんの腸内を調べてみると、腸内細菌の種類が少なく、分布のパターンに乱れ(ディスバイオーシス)があることが分かっています。食事や衛生といった環境の要因と遺伝子の要因が重なり合って腸内細菌のバランスが崩れ、結果的に免疫系が暴走し、発症に関わっていると考えられているのです」

 現時点では、まだ根治治療はなく、免疫機能を調節する投薬治療が一般的だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」