見えてきた認知症のメカニズム 悪玉腸内細菌が脳を壊す

公開日: 更新日:

 アルツハイマー病の予防に脳トレにいそしんでいる人も多いが、それよりもお腹や全身の体調を整えた方がいいかもしれない。お腹の細菌叢や神経叢の変化が脳神経を死滅させ、アルツハイマー病やパーキンソン病を発症させている可能性が出てきたからだ。放射線医学総合研究所・脳機能イメージング研究部の樋口真人部長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 認知症の7割を占めるアルツハイマー病。その原因とされるのが神経細胞外にたまる「アミロイドβ(Aβ)」と神経細胞内に蓄積する「タウ」と呼ばれる脳内タンパク質だ。それぞれが作り出したアミロイド斑と神経原線維変化が神経細胞死を引き起こし、記憶障害などの認知機能の低下をもたらす。

 本来、脳の免疫である「ミクログリア」は、これらのタンパク質を貪食することで脳内を正常に保っている。

 ところが、脳から遠く離れた腸内で悪玉細菌が増えて腸内細菌叢が変化すると状況が一変。悪玉腸内細菌叢が放出したサイトカインなどの毒物が迷走神経などを通じて脳に届き、脳神経細胞を弱らせると共にミクログリアを活性化。暴走したミクログリアが過剰なAβやタウだけでなく正常な神経細胞まで攻撃して認知機能低下に拍車をかけるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「餅」で尿意ストップ! 映画の途中にトイレで席を立ちたくないなら

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 4

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 7

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 8

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  4. 9

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  5. 10

    イケイケ国民民主党に陰り? 埼玉・和光市議補選は玉木代表が応援も公認候補まさかの敗北