ミズイボ<1>スキンシップでうつる 乾燥肌だと再発しやすい
イボはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によってできるが、ミズイボ(伝染性軟属腫)は「伝染性軟属腫ウイルス」というまったく別のウイルスが原因になる。
ミズイボの見た目は、表面がツルツルしていて、みずみずしい光沢のある数ミリくらいの小さな皮膚の盛り上がりで、てっぺんが少しへこんでいる「臍窩(さいか)」という部分があるのが特徴だ。
肌が触れ合うスキンシップでうつるので幼稚園児に発症が多いが、大人の性器周囲にできるミズイボは「性器伝染性軟属腫」として性感染症のひとつに挙げられている。性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)の尾上泰彦院長が言う。
「ミズイボは、毛が生える部分の毛包から感染します。小児の場合は体幹にできることが多いのですが、性器伝染性軟属腫は性器、肛門周囲、太もも内側など、陰毛の生えている部分を中心に多発します。また、大人の顔面にミズイボが巨大化、多発した場合にはHIVの感染を疑います」
HIVは、人の免疫の中心となるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染し、免疫力を破壊していく。ミズイボは、CD4陽性リンパ球数が100/μ以下になると急速に巨大化し多発するため、HIV感染の疑いが分かるのだ。