著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米論文で報告「妊婦のハーブ製品使用は安全」は本当なのか

公開日: 更新日:

 一般的に妊娠中に薬を飲むことは、できる限り避けたほうがよいと考えられています。もちろん、胎児への影響が少ない場合も多いのですが、やはり妊婦さんにとっては不安に思うことでしょう。

 他方で、サプリメントやハーブ(生薬)は比較的安全と考えられているかもしれません。そんな中、妊娠中に使用されたハーブ製品の安全性を評価した論文が、米国産婦人科学会誌の2019年5月号に掲載されました。

 この研究は2018年8月までに報告された、妊娠中におけるハーブ製品の安全性を評価した研究論文を網羅的に収集し、その知見を整理したものです。2人の研究者が独立して論文検索するなど、偏りのない情報収集がなされるよう配慮されています。最終的に47のハーブ製品に関する74の研究論文が評価対象となりました。

 その結果、妊娠線のケアにアーモンド油を使用していた妊婦では、早産のリスクが約2倍増加するという報告がありました。またリコリス(甘草という生薬)キャンディーを摂取していた妊婦でも早産のリスクが約3倍増加することが報告されていました。さらに、ヨーロッパでは古くから「安産のハーブ」などとうたわれているラズベリーリーフを摂取していた妊婦では、帝王切開のリスクが3・5倍増加すると報告されています。

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