救急車を呼ぶほどの重症熱中症 病院が行う4つの全身冷却法
一方、ジェルパッド循環冷却法は、体幹部と両大腿部に冷水が循環するジェルパッドを貼り付けるだけなので、患者の負担が少なく、安全性が高い。
「サーモガードは、2個のバルーンの付いたカテーテル(細い管)を鎖骨下や内頚、大腿などの太い静脈に挿入します。バルーン内に冷却した生理食塩水を循環させることで、血液自体を冷却する方法です。カテーテルから輸液の注入を同時に行うこともできます」
どちらのデバイスも40度前後に上がった深部体温を5~6時間で37度に下げる。37度に近づくと冷やしすぎを防止するために、逆に温めて自動的に深部体温を一定に保つという。
ただし、重症熱中症は死と隣り合わせの状態。心臓が熱にやられていると初日に亡くなることが多い。どれくらい長い時間、高体温が続いていたかで後遺症の程度が異なり、助かってもほとんどの患者に高次脳機能障害や小脳障害などが残るという。
熱中症は防げる病気。予防が最も重要であることを肝に銘じておこう。