自らの特性に向き合う「発達障害」は自己理解のツールだ

公開日: 更新日:

 一色さんも、そのように思われて理解してもらえないことは多いと言いながら、次のように言う。

「私は自分が発達障害であることに負い目はないし、ことさらにアピールしたいわけでもありません。ただ、発達障害者は特別な存在ではないことを知ってもらいたくて、今回、名前と顔も出して取材を受けることにしたんです。発達障害は脳の先天的な障害だといわれていますが、原因はよく分かっておらず、日本人の5%くらいはいるとされています。そして、そのなかでも最近の私たちの呼び方では、就職すら厳しい『ムリ層』、就職はできるけど苦労している『ギリ層』、特定の才能に優れバリバリ働ける『バリ層』がいるといわれます。私の場合は数字には強いので、なんとかSEの仕事はできており、『バリ層に近いギリ層』である、と自分のことを分析しています」

 発達障害にあてはまるかどうかは、所属する文化圏や環境によっても変わる。ある場所では普通に生きられる人でも、ある環境では適応できず、発達障害とされる場合もある。一色さんは「もし発達障害の特性を持っていても、本人や周囲の人が困っていなければ発達障害ではない」と考えている。その意味では、周囲への同調圧力が極めて高い日本の会社は発達障害とみなされやすい環境といえる。しかし、日本の会社では発達障害とされる人でも、おおらかな国民性の国であるとか、日本でも自由な社風の会社やフリーランスで働ければ発達障害とみなされず不適応もおこさない、ということは往々にしてあると言ってもいい。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」