著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

遺伝子と関連 親が糖尿病なら子供も発症リスクが高くなる

公開日: 更新日:

 たけし軍団のメンバー、グレート義太夫さん(60歳)は、36歳の時に糖尿病が発覚。当時の血糖値は630㎎/デシリットルで、即入院となったそうです。その後は「インスリン注射を打つ→病院に行かなくなる→数カ月後に病院に行くが、また行かなくなる」を繰り返し、14年経った頃には人工透析。2011年の日刊ゲンダイでのインタビューで「戻れるなら、“まだ糖尿病”というときに戻りたい。ほんと、人工透析は勘弁してほしい」と話されています。

 記事によると、グレート義太夫さんが糖尿病を発症する1年前、お父さまが糖尿病と腹部大動脈瘤破裂で亡くなったとのこと。しかし、まさか自分も糖尿病とは思っておらず、体がだるい、疲れがひどい、喉が渇く、トイレを1時間すら我慢できない、という“異常”があっても、すべて夏バテの症状だと思っていたとか……。

 糖尿病は、親が糖尿病の場合、子どもも発症しやすいと言われています。片方の親が2型糖尿病の場合、子どもが2型糖尿病になる確率は27%、両親が糖尿病の場合は58%、という報告もあります。

 その理由は、まず遺伝子です。2型糖尿病は日本人の糖尿病の9割以上を占めますが、この2型糖尿病と関連が指摘されている遺伝子の数は200近く。中でも日本人の発症リスクに関係しているのが、11番染色体にある「KCNQ1遺伝子」です。KCNQ1遺伝子があると、この遺伝子からつくられるKCNQ1タンパク質によってインスリンの分泌が妨げられ、血糖値が下がりにくくなるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」