腸<上>14%が便秘…排便のコツは朝の水分で腸を刺激する
そのためには、朝起きた直後にコップ1杯の水や白湯を飲むこと。胃に刺激を与えるためなので、温かいコーヒーやお茶でもかまわない。そして少量でもいいので朝食は必ず取ること。大蠕動は朝食後に最も強く起きるからだ。この大蠕動のゴールデンタイムに排便のリズムを合わせることが大切になるという。
そして、昼食はなるべく食物繊維を多めに取り、夕食はなるべく消化の良いものを就寝の3時間前に済ませるようにする。
食物繊維は便のもとになり、便のカサを増やしたり、軟らかくしてくれる作用があるが、大きく2種類がある。
「不溶性食物繊維」は、水に溶けない食物繊維で、硬くて消化されず、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らむのが特徴。穀類やイモ類、豆類、根菜類に比較的多く含まれる。「水溶性食物繊維」は、水に溶ける食物繊維で、ネバネバしていてゲル状になり、食べ物を包み込んで消化吸収を穏やかにする。果物、大麦やもち麦、スーパー大麦、海藻類やキノコ類に多く含まれている。
「理想的なバランスは、不溶性と水溶性を2対1の割合で取ることです。通常、不溶性を多く取り過ぎてしまう傾向があるため、便が硬くなり、ますます排便しづらくなっている人が少なくありません。ただし、水溶性の含有量が多い海藻類やキノコ類も比較的、消化が悪く、よく噛まないと未消化のまま腸に至ります。高齢者や腸の手術の既往のある人は、キウイフルーツやリンゴ、バナナなどの果物で水溶性を取る方がいいでしょう」
また、慢性便秘の人は気温が低下すると便秘が増悪する傾向がある。それは寒いと交感神経優位の状態が続き、腸管運動が抑制されて排便力の低下につながるから。
入浴は湯船に漬かって、お腹を温める。冬は腹巻きなどをして、お腹を冷やさないことが大切だという。