風邪で抗菌薬は不要 医師が苦笑する「DU処方」って何だ?
風邪で抗菌薬は一般的に不要なのだが、それでも処方されているのが経口第3世代セフェムと呼ばれるタイプで、セフカペンやセフジトレンなどが知られる。実はこれ、体内への吸収率が悪く、ほとんど排泄されるため、医師の間で“DU(=だいたいウンコになる)処方”なんていわれることもあるのだ。
では、風邪はどうやって対処すればいいか。
「風邪の原因は、ウイルスが8~9割を占めています。抗菌薬が効くのはせいぜい1~2割で、ウイルスには効きません。ですから、風邪の大多数を占めるウイルス性のものには、処方薬でも市販薬でも、咳や痰、鼻水・鼻づまり、熱などそれぞれの症状に応じた薬を服用する対症療法がセオリー。対症療法というと、決め手に欠けるようなイメージですが、それでも風邪なら、1日か2日でよくなります。抗菌薬が本当に必要なのは、2次的に肺炎を起こしたり、へんとうに炎症が及んだりするケースです」(梅田氏)
抗菌薬で下痢になることもある。取り立てて問題ない風邪と診断されたら、患者が「抗菌薬は不要」という意思表示するのも重要だろう。