新型コロナはかつてのインフルエンザと同じ歴史をたどっている
そうした「患者側の違い」が重症者や死亡者数を増やすことにつながり、情報伝達の進化が国民の不安を増幅させているといえます。もっとも、ワクチンの学童集団接種が始まっていなかった50年代は、インフルエンザによる年間の死亡者数が7000人以上だった年もありました。当時に比べ、いまは医療体制が飛躍的に進歩していることもあって新型コロナによる死亡者数ははるかに少ないのですが、世間は“パニック状態”といえる状況です。これを収束するためには、インフルエンザの例を見ても、ワクチンによって集団免疫を成立させ、抗ウイルス薬などで急性期の治療を確立するしかありません。
インフルエンザの場合、ワクチンの学童集団接種がスタートしてから急性期治療薬が使われるようになるまで、およそ40年の期間がありましたが、いまはワクチンも治療薬も1~2年で開発されるとみられています。
歴史から見ても新型コロナもいずれは季節性インフルエンザと同じ状況になる――。そう考えれば、いたずらに騒ぎ立てて怯える必要はなくなるのではないでしょうか。