網膜円孔・網膜裂孔<2>自分では「白内障」を疑ったが…
加齢で網膜に穴が開いた
埼玉県内に住む高野稔さん(仮名、70=自営業)は、盆休みを利用して、自宅から徒歩でも行ける近所の眼科病院を訪ねた。
1年ほど前から新聞の文字がぼやけて読みづらいという症状が続いていたからである。
視力が急激に落ちている原因は、中高年に多い「加齢性白内障」ではないかと疑った。
最初に視力の検査があり、その後、待合室で、瞳孔を開く点眼液(ネオベノール)を挿入され、約10後に診察室に入った。
丸い椅子に座り、機器に顔を近づけてあごを固定する。担当医師から、
「では右の眼から診察していきましょう」
と、言われ、レンズを通して眼に強い光が当てられた。
眼を正面に向けたままの状態で、「目線を上に、下に、右、左に、斜め左、斜め右」と指示を出され、眼をグルグルと動かす執拗な診察である。
「検査項目が多いですから。少し我慢してください」と、言われて、右目の診察が終えると、こんどは左目に強い光が当てられた。