顎<上>歯科医の新常識「噛み合わせはいじらない方が良い」
■上下の歯を接触させ続ける習慣は要注意
それでも顎関節症の治療で、噛み合わせ調整を最優先で行おうとする歯科医師がいる。それは、噛み合わせ調整は、顎関節症の治療方法として保険適用が認められているからだ。噛み合わせ調整のために「歯を削る」「抜く」と言われたら要注意。顎の症状に加え、噛み合わせの違和感に悩まされる悪循環が始まってしまう場合があるという。
顎関節は下顎の骨の先端が、頭蓋骨の下側にある「下顎窩」というくぼみの中で回転したり、くぼみから前方に滑り出すことで、口を開けたり閉じたりすることができる。
また、顎を動かすときに働く主な筋肉には、口を閉じるときに働く「閉口筋」と、口を開くときに働く「開口筋」がある。この顎関節や筋肉が耐えられる負担を超えたときに、顎関節症の症状が表れるのだ。
顎関節症は、さまざまな寄与因子が積み重なり合って発症する。たとえば「顎のけが」「精神的なストレスや不安」「関節や筋肉の弱さ」「睡眠中の歯ぎしり」など。