膵臓がんリスクが2倍近くも増える…「歯周病」の恐ろしさ
歯周病はすべてのがんのリスクを上げることも指摘されている。
「かつてはがんは遺伝子の突然変異だと考えられてきました。しかし今は、慢性炎症でメチル化異常(染色体内の化学反応)が遺伝子に起こり、がん抑制遺伝子が働かなくなり、細胞ががん化することが分かっています。つまり、歯周病菌が全身の臓器に血液で運ばれ慢性炎症を起こすと、遺伝子のメチル化異常などが誘発され、がんのリスクを上げるのです」
膵臓がんは予後が非常に悪いがんとして知られるが、ジンジバリス菌の保菌者は膵臓がんの発症リスクが1・6倍高くなり、歯周病菌の別の菌、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌の保菌者は、膵臓がんの発症リスクが2・2倍高くなるという研究結果もある。
「膵臓がんの危険因子に糖尿病があります。糖尿病は歯周病との関連が深く、内科医は糖尿病が膵臓がんの危険因子と捉え、歯科医は歯周病が膵臓がんのリスク因子と捉えています」
■認知症にも関係
アルツハイマー型認知症にも、歯周病が関与している。