日本でコロナ死が少ない理由「日本脳炎ワクチン」の可能性
抗体がしっかりできるまで4回の接種が必要で、多くは3歳時に2回、2回目の1年後(4歳時)に1回、9~12歳の期間に1回接種する。積極的勧奨の見合わせで接種を受けていないケースがあり、1996~2007年度に生まれた世代は接種が不十分だ。
「そして、日本国内の中で北海道だけは長らく日本脳炎ワクチンの定期接種が行われていませんでした。ウイルスを媒介する蚊が生息していないとされていたからです。北海道で定期接種が始まったのは2016年の4月からで、それ以前の世代はフラビウイルスに対する免疫ができていないのです」(加藤院長)
北海道は、日本で最も早く新型コロナの感染が拡大し、国内で初めて緊急事態宣言が出されたエリアだ。
現在も感染拡大が続いていて、感染者数は、東京、大阪、神奈川、愛知、埼玉に次ぐ6位。人口を考えると、感染者が多いといえる。
「日本脳炎ワクチンが新型コロナウイルスにも有効な可能性があるという仮説は、論文として専門誌に発表しています。まだエビデンスが不足しているのは確かですが、日本脳炎ワクチンはすでに安全性が確認されていて広く使われているので、今すぐにでも実施できる。重症化や死亡を減らせる可能性があるとしたら、接種していない地域や世代の人への実施を検討してみる価値はあると考えています」(加藤院長)