いつまでも口から食べたい<下>元気なうちに家族と話し合う

公開日: 更新日:

 それをもとに、専門家に限らず家族も含めた多職種連携で、当事者の弱い部分はケアやサポートを行い、強みとなっている部分は引き出しながら口から食べられるようにアプローチしていく。評価点がレーダーチャートで示されるので、何をどのようにしていけばいいか、関わりの方向性を見いだすこともできる。この評価方法は信頼性・妥当性が検証されており、日本摂食嚥下リハビリテーション学会でも「包括的評価ツール」として紹介している。

 口から食べることは、本人の基本的欲求を満たし、「おいしい」という情動が幸せな気分をもたらす。それが大脳皮質連合野や扁桃体といった脳の機能を活性化させる。また、口から食べる命令は脳が司令塔になっているので、食べないことで脳機能低下にさらに加速がかかる恐れがある。

 一方で、消化管の機能が悪化していたり、吸引の処置を施さなければいけなかったりなどすると、口から食べることが苦痛の助長につながってしまう。心身が衰弱している人では、食べることのメリットを十分に得られず、そればかりか、誤嚥肺炎を繰り返し、食べること自体が苦しみになりかねない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    箱根駅伝で創価大も起用 ケニア人留学生の知られざる待遇

  2. 2

    紅白曲目変更のドタバタ生んだ星野源のうかつと想像力不足…園子温映画『地獄でなぜ悪い』→『ばらばら』に

  3. 3

    星野源「地獄でなぜ悪い」楽曲指定からの変更でNHK紅白に募る不信感…“来年は出場辞退”の懸念まで浮上

  4. 4

    中居正広“9000万円トラブル報道”でTOKIO再結成に高まる期待 SMAP完全消滅の反動で…

  5. 5

    中居正広が地上波テレビから消える?「女性トラブルで“示談金”9000万円」報道の深刻度

  1. 6

    実はクレーマー気質 ルールを与えればオードリー春日は頑固なほどに全うする

  2. 7

    藤井風“エグい”と話題のNHK紅白「NY生中継」の驚きの金額 5分30秒の放送に受信料大盤振る舞い

  3. 8

    中居正広“9000万円トラブル”で番組窮地…「今でも許せない」告発女性が反撃の狼煙

  4. 9

    星野源“ガセ不倫”騒動の裏側、狙い撃ちされたワケ…新垣結衣がラジオ番組に電話出演して否定

  5. 10

    佐々木朗希「25歳ルールを知らなかった説」…あれだけ《メジャー、メジャー》と言いながら