悪玉コレステロールは低いほどいい?健康な人は当てはまらず
健康診断の血液検査では必ず測定されるLDLコレステロールは、俗に悪玉コレステロールと呼ばれています。それは、この数値が高くなると動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞や脳卒中などの原因になることが分かっているからです。特に糖尿病があるなど動脈硬化を進める他の病気も持っていると、その危険性はより高まり、治療によりコレステロールを下げることで、病気の予防になることも分かっています。
ただし、他に病気のない健康な人の場合も、同じことが言えるかどうかは、はっきり分かっていませんでした。今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学専門誌に、デンマークで行われた、大規模な調査の結果が報告されました。
10万人以上の一般住民を調査して、血液のLDLコレステロールと死亡リスクとの関係を見たところ、最も死亡リスクが低かったのは、健診では少し高めとされる「140㎎/デシリットル」くらいの人でした。その一方でコレステロールを下げる薬で治療中の人では、最も死亡リスクが低かったのは「89㎎/デシリットル」の人でした。