免疫力アップのカギはミトコンドリア ワクチン開発者が解説
免疫システムに関わっているのが免疫細胞で、免疫細胞は主に核、細胞膜、細胞質で構成されている。ミトコンドリアは細胞質の一つで、細胞の活動エネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)を合成する働きを担っている。
「細胞の活動エネルギーをどれだけつくれるかによって、それぞれの細胞がきちんと役目を果たせるかが決まります。それは免疫細胞においても同じ。つまりミトコンドリアがきちんと働けるかどうかで、免疫細胞が分担する免疫機能の役割を十分に発揮できるかが変わってくるのです。複数の論文で、ミトコンドリア量が減少するとエネルギー生産が減少し、免疫細胞の機能低下が起こることが報告されています」
■青魚、豚肉、牛肉、大豆から摂取できる
このミトコンドリアのエネルギー生産に欠かせない物質が還元型コエンザイムQ10(以下CoQ10)だ。ミトコンドリアの内膜に豊富に存在し、ATPが生産される過程で利用され、ほかの物質では代替できない。日本では、軽度及び中等度のうっ血性心不全症状を改善する治療薬として用いられているほか、健康食品やサプリメント、化粧品の成分としても使われている。