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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

葛城ユキはステージ4 腹膜がんは卵巣がんと同じ治療で克服

公開日: 更新日:

 パワフルなハスキーボイスでおなじみの歌手の葛城ユキさんが、原発性腹膜がんだと報じられました。歌手の平浩二さんがくも膜下出血で緊急搬送されたことで、あすはわが身と心配されたのか、人間ドックを受診。ステージ4の腹膜がんが見つかったそうです。

「私は歌うために生まれてきております。必ずステージに復帰します。どんなに苦しくても、耐えます。ロック魂で頑張ります」

 パワフルな歌声そのままに、闘病する決意を語っていたのが印象的でした。報道が流れた翌27日は青森で公演。5月1日から治療に専念するそうです。

 腹膜は、肝臓や胃、大腸、小腸などの表面を覆う膜で、広げると畳1畳分の広さになります。そこから発生したがんの性質は、卵巣がんに近く、生検をして組織学診断をすると、ほとんどが卵巣がんと同じタイプに分類されます。

 毎年新たに診断されるのは10万人当たり6人と非常にまれですが、腫瘍マーカーも卵巣がんと同じ数値が使われるため、現実的には卵巣がんの一種として扱ってよいと思われます。

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