著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「蚊アレルギー」強い皮膚症状の原因はEBウイルスにあり

公開日: 更新日:

■高熱、リンパ節の腫れ、肝機能障害が出るケースも

 全身症状としては、刺されて数時間ないし1日後に高熱を発し、リンパ節が腫れたり肝機能障害が出たりすることもあります。通常のアレルギー反応とは異なっているため、正式には「蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)」と呼ばれています。 蚊刺過敏症の引き金はたしかに蚊なのですが、その正体はまったく違っています。あるウイルスが背後に潜んでいるのです。「エプシュタイン・バールウイルス(EBウイルス)」といって、伝染性単核球症や悪性リンパ腫など面倒な病気を引き起こすことがあるウイルスです。

 EBウイルスは日本人の大半が持っていて、子供のうちに親から感染します。高熱が出たり喉が腫れたりと、普通の風邪と同じような症状が出る(伝染性単核球症)ことがありますが、ほとんど無症状の子供もいます。 思春期以降に初感染する人もいて、別名「キス病」とも呼ばれています。キスの相手の唾液から感染するからです。子供のものより重症化すると言われており、長い人では1カ月近く具合の悪い状態が続きます。しかしいずれにしても一過性の病気で、二度と罹ることはありません。

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