ムカデ咬傷の6割は夜間に自宅で受傷 半数以上は夜間救急へ
6月に入ると、全国でムカデの被害が増えてきます。農村地帯、山間部、海岸沿いなど全国に広く棲みついていますから、都会に住む人でもキャンプやアウトドアで咬まれることがよくあります。とくに地方病院の皮膚科では、定番の傷病のひとつになっています。
日本には100種類以上のムカデが棲息していますが、その中で健康被害をもたらすのは、主にトビズムカデ、アカズムカデ、アオズムカデの3種類です。体長10~15cmほど、頭の色がそれぞれ鳶(明るい茶色)、赤(暗赤色)、青(青ないし暗青色)なので、そのままの名前が付いています。
頭の下から、雌クワガタの大あごに似た三日月形の鋭い牙が前方に突き出しています。実はこれは牙ではなく、最前列の脚が変形したもので、正式には「顎肢(がくし)」と呼ばれています。これで相手に抱きつくようにして鋭い爪を突き刺し、先端から毒を注入するのです。顎肢は注射器のような中空構造で、毒腺から毒液を効率よく相手に注入できるようになっています。
■噛まれる場所は「手」と「足」で7割