コロナ禍の子供の「活動量低下」が肥満とゲーム障害を増やす
しかし、部活動などで適度に運動している子供がいる一方で、体育の授業以外の運動量がゼロという子供も少なくない。それでは骨量が十分に高まらず、高齢になるのを待たずして骨粗しょう症となりかねない。運動器の障害で移動機能の低下をきたすロコモティブシンドローム(ロコモ)も早くに起こりやすくなることが考えられる。
実はこれまで、運動量が少ないことによる長期的な弊害は問題視されていたが、短期的な弊害に関しては、そう大きな問題として捉えられていなかった。しかし、コロナ禍で変わった。
「外出自粛や部活動の制限などで屋内で過ごす時間が増えた。運動量が少なかった子供は、日常的な活動量も減少し、全体的な活動量が一層減っている。結果、子供の肥満が増えているのです」
アメリカの研究だが、米疾病対策センターが43万2302人の子供について、昨年3月から11月までのBMI(肥満度を示す体格指数)の変化をコロナ前と比較したところ、低体重を除くすべてのグループでBMIの上昇率が拡大。特に、年齢の低い未就学児や学童のグループ、肥満と判定されるグループで上昇が目立ち、肥満グループの上昇率はコロナ前の5・3倍だった。