コロナ禍で死因はどう変化したのか 最新人口動態統計で比較
循環器疾患全体では29万329人(同1万786人増)でとくに「心疾患(高血圧性を除く)」の17万3888人(同8180人増)が目立った。脳梗塞などの脳血管疾患は8万5645人(同1525人増)だった。
「腎不全」の2万3531人(同1566人増)を含めた、「腎尿路生殖器系の疾患」は3万7938人(同3396人増)となった。
「アルツハイマー病」は1万8705人(同1767人増)で、運動不足が大きなリスク要因でもある「糖尿病」は1万1859人(同485人増)。「自殺」は1万7114人(同501人増)となっている。3月は一年間で最も自殺者数が多い月であり、いまは景気の先行きが不安定なだけに心配だ。
目立つのは「老衰」の12万3426人(同1万6673人増)。厚労省が発行する「死亡診断書記入マニュアル」によると、老衰とは高齢者で、ほかに記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死とある。以前とは異なり医療現場では高齢者は無理して治療せず、自然な死を受け入れるようになったせいとされるが、それだけが原因なのか。