眼科編(3)緑内障への誤解 「視野が欠ける」とどう見えるか
視野検査とは、白い半球ドームに正対して中心を凝視、ドームの壁に当てた光を判別する検査のこと。検査では光の位置や大きさ、明るさを変えることで障害されている目の場所や度合いを判別する。だから、同じ光の位置であっても、強い光なら見えるが、弱い光になると見えない、とすればそれは視野が欠けつつある場所と判定される。ところが、一般の人は強い光であれば視野に問題がないと考える。それが病気の進行の途上だとは考えない。
眼底検査は、目の奥に光を当て、視神経や網膜、血管などを調べる検査のこと。特に大事なのは視神経乳頭の観察だ。写真に撮って見ると、さらによくわかる。
「網膜に映った光の信号を束ねて脳に伝える視神経が眼底で集まるところ、乳頭の中心にはへこみ(陥凹)があり、血管や神経が出入りしています。この陥凹が拡大すると緑内障を発症することがわかっています」
眼底の神経線維(網膜)の厚みを調べるのがОCT検査だ。
「眼底検査と視野検査はともに定期的に受けるべき検査です。正常な人と比べて、どれだけ神経線維層が薄いかによって病気の進み具合を知ることができます。経過が進むにつれてOCT画像は病気が進行している部分が黄色になり、さらに進行すると赤色になります」