【レジオネラ肺炎】病原菌の特定には「水」に関する情報が重要
レジオネラ菌は、自然界(河川、湖水、温泉、土壌など)に生息している細菌で、ヒトが生活する環境でも、大量の水をためて利用する場所で繁殖することが知られています。温泉や循環式浴槽などに使われる水の中でも繁殖し、それを吸い込むことによって感染します。温泉施設などでレジオネラ菌による集団感染が発生したニュースを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
家庭内では、加湿器での菌の繁殖にも注意が必要です。いずれの場合も水をつぎ足して使用するのではなく、毎日、水を入れ替えて容器をしっかり洗浄・乾燥させることもレジオネラ菌の繁殖予防に有効です。こうした「水」に関するエピソードは、病原菌の特定にとって大切な情報になりますので、心当たりがある場合には担当医にも伝えましょう。
重症化するケースも多いレジオネラ肺炎ですが、ペニシリン系やセフェム系といった抗菌薬が無効なため、治療にはニューキノロン系やマクロライド系などの抗菌薬を用います。
次回は同じ非定型肺炎のひとつである「マイコプラズマ肺炎」についてお話しします。