青島周一
著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

1秒間に発音できる「タ」は何回?舌の動きとフレイルの関連性が判明

公開日: 更新日:

 加齢により心と体が衰えることを「フレイル」と呼びます。虚弱とも訳されるフレイルは、病気とは言えないものの健康を損ないやすい状態であり、高齢者の入院リスクや死亡のリスクと関連することが知られています。そのため、フレイルの早期発見や対策に関心が高まっています。

 フレイルの原因はさまざまですが、口の中の衛生状態が悪い人ではフレイルになりやすいという研究も報告されていました。そんな中、舌や唇の動きとフレイルの関連性を検討した研究論文が、2022年1月20日付で環境科学と公衆衛生に関する専門誌に掲載されました。

 この研究では、フレイルと評価されていない60歳以上の日本人高齢者97人(平均72歳)が対象となっています。被験者は、唇の運動機能を反映する「パ」の発音、舌先の運動機能を反映する「タ」の発音、そして舌の根元の動きを反映する「カ」の発音を、それぞれ5秒の間にできるだけ早く繰り返してもらい、1秒当たりの発音回数とフレイルとの関連性が検討されました。

 2年間にわたる調査期間中に、フレイルを発症していた被験者は34人でした。解析の結果、「タ」の発音回数とフレイルの発症に統計的にも有意な関連性を認めました。1秒当たりの「タ」の平均発音回数は、フレイルを発症していない人で6.3回でしたが、フレイルを発症した人では5.9回でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 4
    芸能事務所の社長には「三浦友和のNGみたいな子はいらないのよ」と言われた

    芸能事務所の社長には「三浦友和のNGみたいな子はいらないのよ」と言われた会員限定記事

  5. 5
    巨人・坂本勇人「一塁手で一軍復帰」に現実味…本人、チームともメリット盛りだくさん

    巨人・坂本勇人「一塁手で一軍復帰」に現実味…本人、チームともメリット盛りだくさん

  1. 6
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7
    女優・沢田雅美さん「渡鬼」降板報道の真相で「本が一冊書けてしまうかな(笑)」

    女優・沢田雅美さん「渡鬼」降板報道の真相で「本が一冊書けてしまうかな(笑)」

  3. 8
    “もうひとつの首都決戦”都議補選「自民」は負け越し必至…「都ファ」は4候補が全員討ち死に危機

    “もうひとつの首都決戦”都議補選「自民」は負け越し必至…「都ファ」は4候補が全員討ち死に危機

  4. 9
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  5. 10
    ヒデとロザンナ(6)8歳年上の東洋人にロザンナは「やばい、運命の人だわ」と直感し…

    ヒデとロザンナ(6)8歳年上の東洋人にロザンナは「やばい、運命の人だわ」と直感し…会員限定記事