著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

視力低下の原因は学歴社会にある? 中国の研究チームが報告

公開日: 更新日:

 中国では、遠くのものが見えにくくなる近視の人の割合が世界的にも高く、7~18歳の半数以上が視力の障害を患っているといわれています。近視の原因はさまざまですが、屋外での活動時間が短い、読書やスマートフォンの操作など近くのものを見続ける作業が多い、遺伝的な要因、年齢などとの関連性が知られています。

 学校教育もまた、近視のリスクを高める原因ではないかという指摘もありました。しかし、近視のリスク増加が年齢による影響なのか、学校教育の環境によるものなのか、詳しいことはよく分かっていませんでした。そんな中、学校教育と近視の関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2022年4月1日付で掲載されました。

 この研究では、中国の小学校、中学校、高校に通う6~18歳の延べ406万4897人(国勢調査5回分)が解析対象となっています。学校に通う年数と裸眼視力の低下について、年齢による影響を補正して解析されました。なお、視力は中国で一般的な対数表記で評価されています。日本で一般的な小数表記「1.0」~「0.1」の視力は、対数表記で「5.0」~「4.0」ポイントに相当します。

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