なぜ男性より女性の方が長生きなのか? 平均寿命の差は6年超
生活習慣でいえば、男性の方が女性に比べ飲酒や喫煙、暴飲暴食、冒険的行動など寿命を押し下げる行動をしがちです。とはいえ、平均寿命における男女差の一番の要因はもともと女性の持っている力、すなわち生物学的要因だろうと思います。人間に限らず動物はオスよりメスの方が長寿であること、同じ生活環境だと思われる欧米の宗教団体の中でも明らかに女性の方が長寿であること、がんなど病気になっても女性の方が長く生きる傾向にあることから推測されます。
ではなぜ男性より女性の方が生物学的に強いのでしょうか? その原因は、女性ホルモンは免疫を活性化させるのに対して、男性ホルモンは免疫力を低下させる働きがあるからだといわれています。つまり、男性に比べて女性の方が病気になりにくいからだというのです。
では、男性同士でも男性ホルモンが多い人と少ない人とでは男性ホルモンの分泌量の違いがあるので、寿命に差があるのではないか、との疑問が生まれます。しかし、男性ホルモンが多いとされる、性欲の強い人や薄毛の人が必ずしも短命というわけではありません。男性ホルモンの多い男性は、肥満になりにくく糖尿病などになりにくいからです。
(弘邦医院・林雅之院長)