著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

欧米の「ロックダウン」と日本の「外出自粛」…個人と全体の問題を考える

公開日: 更新日:

■日本では個人レベルで「法律より道徳」が優先される?

 このねじれは、日本の状況を考えるうえで重要な点のように思われる。日本にはそもそも法律に対する意識が低い。法律より世間や周囲を重視する傾向が強い。法的な規制をかけても、自粛という形であっても、どちらでも同じような効果が得られるという読みが政府にあったかどうかは分からないが、結果から見ればそういうことであったような気がする。

 この法に対する意識に関して、まず思い浮かぶことがある。結婚に関しての現実と日本国憲法の記載とのギャップである。日本国憲法第24条第1項では「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」とうたわれている。しかし、現実はお互いの両親を訪ねて、結婚の許しを得るという場面が現実にもよくあるし、ドラマでもしばしば見られる。

 憲法に基づけば、結婚は両性の合意「のみ」に基づいて成立し、両親の許しは不要どころか、両親の結婚を認めないという態度は憲法違反になる。しかし、両親の許しが得られないから駆け落ち同然で結婚したという話は時々耳にするが、許してくれない親に対し、憲法違反だと反論したという話は聞いたことがない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで