著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

感染症の流行に終わりなし…不要不急の外出禁止がもたらした矛盾

公開日: 更新日:

 2019年12月に原因不明の重症肺炎中国で報告されてから、丸3年以上が経過した。この間、いろいろなことがあった。「あった」というのは正確な表現ではない。いまだ現在進行中である。日々、さまざまなことが起こり続けている。日々、新たなニュースが報じられ、何も終わっていないというのが現実だ。感染者数や重症者の情報は毎日流され続けている。終わってから振り返るというには、まだまだ時間がかかりそうだ。終わらないという可能性もある。むしろ、その確率が高いといった方がいいかもしれない。またコロナが収束したとしても、新型インフルエンザなど、別の感染症の流行は今後も必ず起こるだろう。

 感染症の流行には終わりがない。一時的な収束があるだけだ。終わりを待つのがどうやら無理らしいということに、そろそろ気づいた方がいい。あるいは、次のように言うこともできる。感染症に限らず、人間の健康に対する病気の脅威はなくならない。さらに言えば、病気の脅威がすべて克服できたとしても、老いによって健康は徐々に失われるし、その先の死を避けることはできない。不老不死とはいまだ想像上のものに過ぎない。天国、極楽と同じレベルである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」