著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

欧米の「ロックダウン」と日本の「外出自粛」…個人と全体の問題を考える

公開日: 更新日:

 何の話だか分からないかもしれないが、話は単純である。日本人のこの結婚に際し両親の許しを得るという態度と、自粛は似ているということである。日本では、法律より道徳や倫理が個人のレベルにおいてこそ優先される傾向が強いのかもしれないということだ。

 ところが、それが道徳観、倫理観というより、単なる同調圧力ではないかという指摘がある。少なくとも個人の自発的な判断にゆだねられた結果、個人個人が、道徳的にどうか、倫理的にどうかを考えた末に判断し、対応を決めたかどうかといわれれば、そうではないというのが現実だろう。

 いくら両性の合意といっても、両親の合意を得るのが道徳的、倫理的に重要だ--結婚に対してはそんな面がある。それでは、コロナの外出自粛についてはどうか。多くは自分が感染したくないというだけだったかもしれない。自分自身が感染源になったら大変だという意識は、活動的な人の中にはあっただろう。ただ、多くの人はその判断に際し、意識的に道徳的、倫理的にどうかとは考えてはいないのではないか。そして、その背景には日本の道徳観や倫理観が均質ということがあるような気がする。

 コロナを考えることは、日本の道徳観、倫理観を考えることでもある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」