手首や足首にできるしこり「ガングリオン」は放置しても大丈夫?
「注射で中にたまっている粘液を抜くのが、もっともメジャーな治療方法。ただ、『抜くだけで、終わり』とする医療機関が多いのですが、これではいったんは治まっても、結局、何度も繰り返しできてしまう人が多いです。注射の治療で重要なのは、中の物質を抜いた後にしっかりと患部を圧迫することにあります」
中身を抜いた後は、患部の上にガーゼを枕状にして折って何枚か重ね、医療用テープで留めて圧迫する。少なくとも48時間はその圧迫状態を保つ。
「その後もできれば2週間ほど自宅でも圧迫を続けてほしい。当院ではガーゼや医療用テープをご購入いただき、家で患者さん自身が処置できるようにやり方を指導しています。注射後に時間をかけて圧迫をしっかり行うと、再発率はかなり下がります」
圧迫中はなるべく患部に負荷をかけないことを意識する。日常生活は通常通り送れるが、激しい運動をしたり重い荷物を持ったりするなど、患部の酷使は避けた方がいい。
ガングリオンそのものは、前述の通り痛みがない。しかし、ガングリオンが神経を圧迫し、痛みが出ることはある。見た目が気になったり、再発を繰り返すので注射以外で何とかしたいという患者もいる。