うつ病などの精神疾患でもないのに…急に怒りっぽくなった人に潜む病気
■感染症が原因になることも
更年期障害も怒りっぽくなる病気のひとつだ。更年期障害とは40代以降の男女の性ホルモン分泌量低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群のことをいう。
「女性の更年期障害は一般的に閉経時期の前後5年に現れます。しかし、男性の場合は女性のようにハッキリした身体的変化を伴わないために診断が難しく、本人も気づかないうちに発症しているケースも少なくありません。女性はのぼせや顔の火照り、動悸や息切れ、異常な発汗などの身体的な症状の他に興奮亢進、イライラや不安感といった精神的症状があります。男性の身体的症状は全身の疲労感や倦怠感などであり、精神的症状は気分の落ち込み、イライラなどですが、先述したように急な怒りが更年期障害であることに気づかないケースも多いのです」
ペットから感染する人獣共通感染症のなかにも怒りっぽくなる病気がある。トキソプラズマ感染症だ。
「この病気はトキソプラズマ原虫と呼ばれる寄生虫が寄生して感染する病気です。ネコとの接触や加熱不十分な肉の摂取などで感染します。人体に侵入したトキソプラズマ原虫は腸内の好中球に潜伏して脳に到達すると脳内の神経伝達物質の分泌量が変化して怒りっぽくなることがわかっています」
ストレスなどないのに、急に怒りっぽくなったと感じたら病院で診察してもらった方がいいかもしれない。