著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

糖尿病は運動でどのくらい予防できる?「速足20分追加で11%リスク低下」米国学会誌に掲載

公開日: 更新日:

 糖尿病の多くを占める2型糖尿病は、遺伝的な要因と環境要因の2つが原因で発病します。家族に糖尿病の方が多いような場合には、遺伝的ななりやすさがあると考えた方がいいので、生活環境により注意することが必要なのです。

 それでは、糖尿病にならないためには、何に注意すればよいのでしょうか? 指摘されることが多いのが食事運動です。ただ、実際にどのような食事をして、どのくらい運動をすれば糖尿病にならないか、というような具体的な点については、研究結果によっても違いがあり、明確な結論には至っていません。特に運動については、1日1万歩が以前は健康的といわれていましたが、最近では5000~8000歩くらいが良いという意見もあり、見解が一定していません。

 今年の米国糖尿病学会の専門誌に、運動による糖尿病予防についての論文が発表されました。これは9万人以上の一般住民を対象として、3軸加速度計という特殊な機械で、正確にその人の運動量を測定したものです。その結果、エネルギー消費量で測定された運動量が多いほど、糖尿病のリスクが低下した、という結果が得られました。具体的には毎日速足での歩行を20分、通常の生活に追加すると、糖尿病のリスクは11%低下していました。

 もちろん、ケガなどしないように、無理なく安全に行うことが必要ですが、運動はやればやるほど糖尿病の予防効果があるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動