【胸部レントゲン写真】肺がん検診での発見率は0.05%程度
健診の「胸部レントゲン写真」は、もともと結核の早期発見を目指して、戦後に始まったものです。しかし、1960年代には、患者が急速に減少してきたこともあり、現在は、主に肺がんの早期発見を目的として行われています。
ただ、結核や肺がんのリスクがきわめて低い小中学生の健診では、2005年から「省略可」となり、現在は事実上廃止されています。また高校と大学は、結核の感染者が比較的多いという理由で、新入生のみ撮影することになっています。
職場健診に関しては10年から、一定の条件のもと、省略が可能になっています。ただし、厚生労働省が提示する条件には「医師が必要でないと認めるとき」と書かれています。実際に省略している会社は、かなり少ないはずです。さらに、20歳、25歳、30歳、35歳の「節目健診」と、雇用時の健診では必ず撮るようになっています。
40歳以上になると、特定健診の対象者になります。内容はそれまでの職場健診とほとんど変わりませんが、胸部レントゲンは全員が必須となります。早い話、就職したら、毎年1回はレントゲンを受けなければならないということです。