認知症の父親がティッシュを食べてしまいます…対応策は?
首にフェースタオルを下げ、意識をタオルに向けて
異食でとりわけ危険なのがたばこや消毒液です。早期に発見し胃洗浄を行えば大きな問題になることはありませんが、発見が遅れて中毒を起こすと意識障害になり、最悪のケースでは死に至ります。
認知症の方に「食べ物ではない物を口にしないで」と伝えても、認知症の進行した方ではご自身でコントロールすることはできません。異食を防ぐためにも、目につく場所に危険な物はなるべく置かないようにしましょう。ティッシュを口にする方であれば、首にフェースタオルを下げ、意識をタオルに向けてください。フェースタオルであればのみ込みの心配もなく、口で吸っても健康上の問題もありません。
歩きながら床の物を拾って口にすることもよくありますが、そんなときはミトンと呼ばれる指全体が1つに覆われた手袋を装着すると、物を掴みづらくなるのでお勧めです。
▽井関栄三(いせき・えいぞう) 1979年新潟大学医学部卒業後、同大学大学院進学。84年横浜市立大学医学部精神医学教室入局、2010年順天堂大学医学部精神医学教授を務めたのち、16年シニアメンタルクリニック日本橋人形町を開院し、院長を務める。