後悔しない歯科治療(1)「銀歯」は弊害が多く海外は禁止している
「そこで削る範囲を最小限に抑え、ペースト状のプラスチック系素材であるコンポジットレジンを充填し、光を当てて凝固させる治療が、海外で主流になっていて、国内でも普及するようになっています」(今枝院長)
コンポジットレジンによる虫歯の治療は保険の対象になり、自己負担3割で1本当たり700~1000円で済む。ただし、素材がプラスチックなため、あまり長持ちしない。また、大きな虫歯には向かない。そこで、保険対象外の自由診療になるものの、選択肢に挙がってくるのが「セラミック」や「ジルコニア」だ。
「いずれも歯に近い材質で、銀歯と違って体に馴染みやすく、金属イオンが溶け出す心配もありません。見た目が自然で変色しにくく、虫歯菌が付きにくいという特徴もあり、定期的なメンテナンスを行っていれば、10年、15年と、長期にわたって使用することができます」(今枝院長)
問題は治療費だが、1本当たり詰め物で4万~8万円(税別)、かぶせ物だと8万~12万円(同)ほどかかる。4000円前後で済む銀歯を選び、治療を繰り返すことで、最終的に歯を失ってしまうリスクを引き受けるか。それとも、それなりに費用はかかるが、セラミックやジルコニアを選択して、自分の歯をできるだけ長く残したほうがいいのか。十分に検討したうえで、判断するのがベストだろう。