日々幸せを感じられないのは「過剰負荷環境」にいるからかも
私の生徒が、「〇〇(学生の出身地)は何もない場所だけど、暮らしている人は現状の生活に満足している。僕はそれが好きじゃない」と話していたことがありました。情報の少ない地方では、みんなそれなりに幸せそうな生活をしている。
一方で、都会に来てみると、食べ物も情報もエンターテインメントも何でもある。それを知ってしまうと、地元は満たされないように見えてしまうというのです。
“世界一幸福度の高い国”といわれるブータン王国へ取材に行った人のコラムに、こんなことが書いてありました。道行くブータン人に、「あなたの幸せの基準は何ですか?」と尋ねると、おのおのが「それはあなたが幸せなことです」といった趣旨を返答されたそうです。
ブータンは、自然豊かな国で、日本のように都会がたくさんあるわけではありません。情報が少ないからこそ、小さな幸せを噛みしめることができ、他者の幸せを願うことができる。
人を不幸だと感じる気持ちは、自分と誰かを比べたときに起こります。情報があふれた環境の中では、自分と他者を比べがちになってしまいます。加えて、その情報に自分自身がおぼれて、好奇心が育たなくなってしまいます。