20~40歳は「血液検査」で生活習慣病の兆しを把握する
前述したように生化学的な血液検査は、職場健診の項目に含まれていますが、施設によっては省略されている場合もあるので、しっかり確認しましょう。この年代では、自然な状態で検査した血液データを1回でも調べておくことで、生活習慣病の素因があるかどうか、血管がダメになる危険があるかどうか、血管がダメージを受け始めているかどうかがわかります。職場健診で省略されている人は、必ず受けておくことをおすすめします。
生化学的な血液検査で生活習慣病が始まっていた場合、治療が必要なレベルならしっかり取り組み、予備群であれば生活習慣の改善が必要です。それと並行して、心臓超音波検査や造影剤を使用しない単純CT検査を受け、高血圧による心臓肥大が始まっていないか、冠動脈の石灰化が始まっていないかをチェックしておくことが望ましいでしょう。将来的な動脈硬化性疾患のリスクを把握できて、予防策に取り組むことができます。
ちなみに、20歳代から40歳くらいまでは、いわゆる腫瘍マーカーを測定して、がんのスクリーニングに重きを置く必要はありません。遺伝的な要因や特殊な体質がない限り、その年代にがんになるのはかなりまれだからです。まずは生活習慣病の兆しを確認することを意識しましょう。